RPAとは「Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)」の頭文字を取った言葉で「業務工程を自動化するロボット」という意味です。
RPAを利用すれば、パソコン上で行う作業を自動処理することができます。Excel VBAのような特定のアプリケーションに制限されることがないため、複雑な手順を処理することに向いています。RPAで作業手順を一度登録(シナリオ化)しさえすれば、あとは実行ボタンをクリックするか指定のスケジュールで処理をしてくれます。
RPAでできること
RPAが使えるようになれば、以下のような業務を効率化することができます。
- e-Govの電子申請システムにログインし、必要な書類を自動アップロード。申請後のステータスを取得し、クライアントに自動通知。
- メールで送られてくる「従業員の勤怠データ」「給与計算用データ」「年末調整の控除申告書」などを自動でダウンロードし、保存・整理。受領後、不備がないか簡易チェックを実施し、不足があれば自動通知。
- クライアントの勤怠管理システムからデータを取得し、法定労働時間超過や残業時間を分析。CSVやExcelファイルを自動でダウンロードし、給与計算用に加工。
- 健康保険・厚生年金の標準報酬月額の更新手続きを毎年7月に実施。
- 労働保険の年度更新に必要なデータを自動収集し、申請書を作成。
- クライアントごとに「給与計算」「社会保険手続き」「就業規則作成」などの業務進捗を管理。タスクごとの進捗状況を定期的にチェックし、未対応タスクをリストアップ。
これらを自動化することで、事務作業の負担を大幅に軽減し、より専門的な業務に集中することができます。
RPAがVBAより優れているポイント
項目 |
VBA |
RPA |
Excel処理 |
得意 |
可能だがExcel以外も対応可能 |
Web操作 |
不得意(VBAでは難しい) |
得意(ブラウザ操作が可能) |
異なるシステムの連携 |
不得意(APIがないと厳しい) |
得意(ブラウザやアプリ操作を自動化) |
メールやファイル操作 |
一部可能(Outlookとの連携など) |
得意(Gmail、Outlook、クラウドストレージとの連携が可能) |
定型業務のスケジューリング |
VBAマクロを実行する必要あり |
RPAなら時間指定で自動実行可能 |
まずは「初級コース」でRPAの魅力に触れよう!

「RPAって何?」「プログラミングは難しそう」「独学だと何から始めていいのかわからない」のであれば、まずは初級コースでRPAの魅力に触れていきましょう。やさしく丁寧に教えるので、プログラミング初心者でも安心して学ぶことができます。
講座は全5回(120分/回)で構成され、1ステップずつ身につけられるようになっています。難しい用語があっても事例を交えながら解説するので分かりやすいです。
全体目標
Power Automate Desktopの基本的な機能を理解し、日常業務における定型作業を自動化するフローを自作できるようになる。
対象者
はじめてRPAに触れる方を対象とし、Power Automate Desktopの基本操作を理解し、簡単な自動化フローを作成できるようになることを目指します。
回 |
テーマ |
内容 |
学習目標 |
1 |
RPAとPower Automate Desktop入門 |
RPAとは何か?、Power Automate Desktopの概要、環境構築、簡単なフロー作成体験 |
RPAとPower Automate Desktopの基本概念を理解し、環境構築と簡単なフロー作成ができるようになる。 |
2 |
変数とデータ型 |
変数の概念、データ型、変数の操作 |
変数とデータ型の概念を理解し、変数を操作できるようになる。 |
3 |
制御フロー(条件分岐・ループ) |
条件分岐、ループ処理、エラー処理 |
条件分岐とループ処理を用いたフロー制御、エラー処理の方法を習得する。 |
4 |
デスクトップ操作の自動化 |
UI要素の操作、画像認識、キーボード操作 |
デスクトップアプリケーションの操作、画像認識、キーボード操作の自動化を習得する。 |
5 |
Excel操作と応用 |
Excel操作、データテーブル、応用演習 |
Excel操作と、これまで学習した内容を統合した実践的なフロー作成能力を習得する。 |
第1回:RPAとPower Automate Desktop入門
- RPAとは何か?:RPAの概念、メリット・デメリット、活用事例を分かりやすく解説
- Power Automate Desktopの概要:Power Automate Desktopの機能、インターフェース、基本用語の説明
- 環境構築:Power Automate Desktopのインストールと設定(アカウント作成支援含む)
- 簡単なフロー作成体験:Webサイトを開いて特定の情報を取得するフロー作成(講師のデモンストレーション)
実習課題: 指定のWebサイトを開き、タイトルを取得するフローを作成
第2回:変数とデータ型
- 変数の概念:変数の役割、使い方、命名規則を具体例を用いて解説
- データ型:数値、文字列、日付、ブール値など、基本的なデータ型の種類と特徴を説明
- 変数の操作:変数への代入、変数の結合、型変換の実践
実習課題: 電卓アプリを操作し、計算結果を変数に格納、メッセージボックスに表示するフローを作成
第3回:制御フロー(条件分岐・ループ)
- 条件分岐:Ifアクションの使い方、条件式の作成方法、複数条件の分岐方法
- ループ処理:For Eachアクション、Whileアクションの使い方、ループ処理の注意点
- エラー処理:エラー発生時の対処方法、Try-Catchアクションの使い方
実習課題: Excelファイルを読み込み、特定の条件に合致するデータのみを抽出して表示するフローを作成
第4回:デスクトップ操作の自動化
- UI要素の操作:クリック、テキスト入力、ウィンドウ操作など、デスクトップアプリケーションの操作方法
- 画像認識:画像認識を用いたUI要素の操作方法(画像認識の精度と注意点)
- キーボード操作:キーボード操作の自動化、ショートカットキーの実装
実習課題: 指定のアプリケーションを起動し、特定の操作を実行するフローを作成
第5回:Excel操作と応用
- Excel操作:Excelファイルの読み込み、書き込み、データの操作
- データテーブル:データテーブルの操作、データの追加・削除・検索
- 応用演習: これまでの内容を組み合わせた、実践的なフロー作成(例:Webサイトからデータを取得し、Excelに書き込む)
実習課題: Webサイトから必要な情報を抽出し、Excelに整理して保存するフローを作成